iPad 第6世代 (A1893) 劣化バッテリー交換修理
バッテリーが劣化したことにより、充電残量の表示がおかしくなってしまった「iPad 第6世代 (A1893)」
今回は内蔵バッテリーが劣化したことによって、充電残量の表示がおかしくなってしまった「iPad 第6世代 (A1893)」のバッテリー交換修理事例のご紹介です。
まずは店頭にて動作の確認を行います。
表示やタッチ、その他基本的な動作に問題はありません。

ですが、充電器を抜いた瞬間に、先程まで100%だった充電残量が、5%へ急激に変化してしまいました。
バッテリーが劣化したiPod touchでよく見られる症状と同じですね。
恐らく同様の原因と考えられるため、早速バッテリー交換を行っていきます。

画面を外します
こちらの機種は画面から分解を行う構造のため、まずはタッチパネル(表面のガラス)から取り外します。
画面全体をヒートマットで予熱して、テープの貼り付きを弱くしたら、タッチパネルとフレームの隙間にカードを差し込んで、全体を剥がしていきます。

全体が剥がれたら、優しくタッチパネルを持ち上げます。

タッチパネルのコネクタは液晶の下にあるのでまだ外せません。
ガラスを立てたままで、液晶のネジを外していきます。

ネジが全て外れたら、液晶も同様に持ち上げます。

ここでディスプレイコネクタを外したくなりますが、iPadシリーズは構造上、分解時に簡単に基板ショートが発生しやすい設計となっています。そのため、バッテリー端子を最優先で外し、絶縁処理します。

絶縁が完了したら、ディスプレイコネクタに被さっている金属の蓋を外します。

後は各種コネクタを外していきます。

画面の取り外しが完了しました。

フレームと画面に残ったテープ類は全て綺麗に剥がして、清掃をしておきます。

メイン基板を外します
続けて、メイン基板の取り外しを行っていきます。
その前に、今回新たに使用する新品バッテリーと、お客様の端末に搭載されていた劣化バッテリーの外観を比較してみました。
一見すると膨張は見られませんが、劣化したバッテリー特有の「うろこ状の表面の凸凹」が確認できます。
この状態は内部の素材の劣化が進行しているサインであり、今回の不具合原因がバッテリーであることを裏付けています。

状態の確認が完了したので、メイン基板に繋がっている各種パーツをフレームから外していきます。



全て外したら、基板をフレームから取り出します。

劣化したバッテリーを剥がします
バッテリーがフリーになったので、フレームから剥がしていきます。
バッテリーは強力なテープで固定されているため、隙間からエタノールを注入して、粘着を弱めていきます。

バッテリーとフレームの隙間にカーボンヘラを差し込んで、優しく持ち上げます。
無理な力を加えると発火する恐れもあるため、慎重に行います。

無事に取り外しが完了しました。

新しいバッテリーを取り付けて、端末を組み上げます
後は、新しいバッテリーをフレームに取り付けて、各種パーツを逆順で全て組み上げます。

画面を貼り付ける前に各種動作の確認や、充放電のチェックをしっかりと行って、問題がなければ画面を強力なテープで貼り付けます。

修理完了です!
組み上げが完了したら、最後の動作確認を行って無事に修理は完了です!

この度もバッテリー交換のご依頼をいただき誠にありがとうございます!
今回のように「充電器を抜いた瞬間に残量が大きく減る」「充電器を刺した瞬間に100%になる」「残量があるのに電源が落ちる」といった症状はApple製品で比較的多く見られます。
必ずしもバッテリーが原因とは限らないパターンもありますが、多くの場合は交換にて改善が見られます。
もし同様の症状でお困りの場合は是非当店までお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。
作業の詳細
メーカー名 | Apple |
シリーズ名 | iPad無印 |
機種名 | iPad (第6世代) |
故障内容 | ・充電器の抜き差しで、充電残量が急激に変化する ・バッテリー持ちが悪い |
作業内容 | バッテリー交換修理 |
作業時間 | 約120分〜240分 即日対応可能 ※予約状況・部品在庫によって前後します。 |
修理店舗 | [東京]代々木駅前店 |